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古書店経営の今も生きる銀メダリストの体力や勝負勘

★これまでのキャリア
●1967年生まれ
●1985年 立教高3年時に夏の甲子園に出場
●1989年 立教大で六大学野球23年ぶりの優勝に貢献。
●1990年 日本石油(現ENEOS)へ入社
●1993年 都市対抗野球優勝。社会人ベストナイン選出
●1996年 アトランタオリンピック銀メダル獲得
●1997年 現役引退。家業である神田神保町の古書店「東陽堂書店」を継ぐ
●2023年 2024年まで1期2年、神田古書店連盟の会長を務める

★小柄な体で世界へ

 東京・神保町の仏教系古書店『東陽堂書店』の3代目店主を務める髙林孝行さん。1924年創業の老舗の取締役社長を務めるだけでなく、神田古書店連盟の会長も務めるなど、古書店の文化を継承していくための活動も積極的に行なっている。

 そんな髙林さんの父・恒夫さんは先代の店主であるとともに巨人や国鉄(現ヤクルト)でプレーした元プロ野球選手。そんな父の影響もあり野球は物心ついた頃には自然と始めていた。
 身長171㎝と小柄な身体ながら、スピードとパワーを併せ持った髙林さんは、立教高校で甲子園に出場し、立教大学でも六大学野球を優勝。卒業後に進んだ日本石油でも都市対抗野球、日本選手権の二大大会で優勝。日本のアマチュアを代表するプレーヤーとして輝かしいキャリアを持つが、ハイライトは1996年のアトランタオリンピックだ。当時はプロ選手の参加が許されておらず、各国・地域のアマチュア選手の最強チームによってメダルが争われていた。
準決勝で「野球の母国」アメリカを破ると、決勝では当時「世界最強」を誇っていたキューバとは9対13と善戦。金メダルには届かなかったものの堂々の銀メダルに輝いた。
「ホッとしたという気持ちが一番でした。時間が経つにつれて悔しくはなりましたけど、最後はみんなボロボロでしたから」と、力を出し尽くしての世界2位の名誉を勝ち取った。

★今にも生きている体力や勝負勘

 引退はその翌年の1997年、30歳の時だった。この年にも日本代表に選出。主将としてチームを牽引し、当時公式戦100連勝中だったキューバを倒して、インターコンチネンタルカップを優勝したが、ここでキッパリと引退を決めた。
「プロになれなかったことだけが心残りですけど、もうあとは次のオリンピックを目指すかどうかだけでしたからね。家(古書店)を継ぐためにも、そろそろ手伝わないと分からなくなっちゃうので、前の年には会社も代表の方にも引退を伝えていました」

 こうして老舗での日々が始まった。
 古書店の仕事は毎日、市場があって、そこでする仕入れが肝になる。高林さんが始めた当時は今ほどインターネットも発達しておらず、経験の積み重ねによる目利きがすべて。自ら勉強・研究するとともに、父のもとでも様々なことを学んでいった。

 また、意外に思われるかもしれないが体力や勝負勘も大事。そこはアスリート時代の蓄積や経験が大いに生きたという。毎日の市場では、トラック一台分の本を仕入れる日もある。縛って運ぶ作業は体力勝負だ。
また、市場での入札は毎日行われる。相手との駆け引きがあり、結果がすぐに出る。これも野球との共通点だ。

★世界から地元へ 老舗の使命

 東陽堂書店は創業100年を迎え、名実ともに「老舗」となった。しかし、いくら専門書といえ、「本離れ」や「デジタル化」の波は押し寄せている。購入者は教員や研究所などの公的機関が多く、学生の購入者は大きく減った。また、貴重図書がネット上で閲覧できるようになっていたり、インターネットで調べればすぐに値段の比較もできるようになっていたりするため、安売り競争のようになってしまっている現状もあるという。

 こうした業界の過渡期を迎える中で、今後の展望を聞くと、やはり古書店や文化や街の歴史の継承に力を入れているという。
「この店をしっかりやっていくことに加えて、今は千代田区や東京都とこの神保町の街並みを残そうということを目指して、様々な方法を検討しています」

「本は重いですから普通の人がやるのは結構大変。体力は必要ですから、それは野球をやっていて良かったですね。あとは現役時代の仲間と交流があるのも野球をやっていたからかなと思います。社会人時代のチームメイトや対戦相手、オリンピックの仲間とも集まることが今もありますね」

 古書店や神保町の文化を次世代にも継承するために奮闘する日々。それを支えるのは野球で培った体力や勝負勘だ。そしてかつての戦友たちとの交流が息抜きにもなり、高林さんの人生は豊かに彩られている。

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